京都の文化、特に食文化に代表されるその味の一滴のしずくまで、心ゆくまで堪能してもらいたい、という店主の、岡田敬一さん。店の名はそんな京都への想いからつけられている。
寿司職人を父に持ち、幼くして日本料理に魅せられたご主人は、15歳にして京都へ修行。10年間の修行時代を経て、赤坂、青山という東京の食通エリアでキャリアを積み、恵比寿で2003年に店を開いた。
修業時代当時、月に2日しかないお休みも、料理の彩りに添えるための紅葉拾いに費やしていたというご主人。味もさることながら、目で味わうと言われる日本料理にかける静かな情熱は、いまも店の随所にも垣間見られる。
銀杏の一枚板でできたカウンターに、四季折々の草木がそれとなく飾られているなど、料理を美味しく頂くための空間作りが素晴らしい。
お料理の方も、もちろん、食材は京都から取り寄せるなど、余念はない。白味噌のお椀や大徳寺納豆など、関東の人が喜ぶ料理を押さえながら、一品一品を丁寧に供してくれる。特にメニューなどはなく、ご主人との会話の中でその時々に応じてお料理もお酒も出される。
お値段の方は、ランチメニューが、お弁当3900円、ミニ懐石5900円、本懐石10000円、夜のコースが12000円、16000円、20000円、それ以上は主人のおまかせと、気軽にふらっと、とは言えないが、「京都ほど高くないです」とご主人。
誕生日や記念日などのお祝い事に使うお客様も多いという。
また年末はおせち料理の予約も受け(12月20日まで)、一重が30000円、二重が40000円、三重が60000円。お正月も元旦から営業しているので、たまには外で京料理に舌鼓しながら、元日のお屠蘇もお勧めだ。
お料理教室も、3名以上集まれば開催してくれる(昼間の3時間、京料理を8000円で習得できる)。
場所は、恵比寿ガーデンプレイス方面に向かう動く歩道を抜け、アメリカ橋を斜め向かいの公園方面に渡り、二筋目を左折した右手。京都八坂神社前の傘屋「傘源」の番傘がライトアップされた入り口が特徴。