モディリアーニ、藤田、そしてピカソ...
情熱と憂愁 ―パリに生きた外国人画家たち
フランスの首都であるパリは、古くから独自の文化や芸術をもった歴史ある都市(まち)です。1900年初頭になると、世界各国から数多くの芸術を志す若者が、この都に集まりはじめました。フォーヴィスム(野獣派)、キュビスム(立体派)、そしてシュルレアリスム(超現実主義)など、新たな美術様式が誕生していたこの地に目を向けた世界中の若者たち。エコール・ド・パリ(パリ派)の画家と呼ばれる彼らは、1920年代を中心に活躍し、いかなる流派にも所属せずに、それぞれが自らの作風を求め模索していました。また貧しい異邦人であった彼らは、モンマルトルやモンパルナスの共同アトリエを拠点とし、疎外感を埋めるように制作に打ち込みました。故郷を懐かしみつつも、この異国の地で様々な芸術運動に影響を受け、一人一人が個性的な作品を多数生み出したのです。
外国人居留地で知られる築地の明石町近くに生まれ、子どもの頃から英語に親しんでいた松岡清次郎は、国内だけでなく海外のオークションにも一人で出向いたそうです。異国でも自身の審美眼を信じ、自身の目で様々な美術品を選びぬいた彼の姿は、エコール・ド・パリの画家たちと相通ずるのかもしれません。
今展では当館所蔵のフランス近代絵画の中から、モディリアーニ、キスリング、ユトリロなどのエコール・ド・パリの画家たちと、ヴラマンクやピカソなど同時期にパリで発生した美術様式であるフォーヴィスム、キュビスムに属する画家たちの個性溢れる作品を一堂に会し、展観いたします。
会場
展示室5、6
アメデオ・モディリアーニ
《若い女の胸像(マーサ嬢)》 1916-17年頃 油彩・カンヴァス
神秘のひといろー中国の単色釉磁
やきものといえば、唐草や人物といった絵付けによる装飾を日常、目にしますが、全面に色を湛えた
釉(うわぐすり)だけの美しさも見逃せません。
宋時代に青磁や白磁が活況を呈したのち、明時代に入ると主流は絵付けによる青花や五彩に取って代わるものの、清時代には色釉の開発に重点が置かれて目覚ましい技術向上により色数が増加、輝くばかりのうつわが創られたのです。
釉には色や光沢を与えるばかりではなく液体の滲出や汚れを防ぎ、またうつわの強度を増す効果があります。
しかし、やきものの質や色合いは、着色材料となる金属の種類、分量、素地の粘土に含まれる成分、さらに焼成の状態に大きく影響され、変化してしまいます。優れた技術とともに、様々な条件にかなって初めて完成をみる神秘のひといろ。その高貴な静けさ、深さ、そして輝きや華やぎをみせる単色釉の魅力をご高覧下さい。
会場
展示室4
桃花紅太白尊
清時代 「大清康煕年製」銘
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