2010.12/8 更新しました
ロックシンガー忌野清志郎氏が逝去した。15歳の時、彼の歌を知った。独特なハーモニーといでたち、ありきたりだが駆引きのない清純な歌詞は、まるで僕ら自身の心の様に感じた。独特な微妙に伸びる音程は純粋に、ときに少年のようにひねくれて青春の一コマとして流れていった。
高校生活で出会った親友Hは、私以上の清志郎ファンであった。また映画をこよなく愛し、とびきり純粋な笑顔が素敵だった。やがて彼はコピーバンドを組み、僕等はそれに熱く聞き入った。彼とは、3年間青春を熱く分け合った。
もう一人の親友Mは、同じ幼稚園の幼なじみで、高校で偶然にも再び同級になった。皆から慕われるハートのある男で、エレキギターの名手であった。私をすべて理解し、短い生涯を無二の親友として支えてくれた。
Mはわずか29歳で大腸のがんのため逝去した。医師として新米の私は、狼狽し、絶望の中で主治医の一人として彼をみとった。あろう事かHも六年前逝去した。あまりにも早すぎる別れであった。そして、私の心の中にぽっかりと穴があいた。
ひとりぼっちで、今中年となった私は、ロックや歌とも、距離が出来て、忘れかけていた。そんな中、同じく私の青春一つであった、ロックンローラーの訃報を知った。また心の中に、ぽっかりと穴があいてしまった。さよなら、清志郎。さよなら、友。いつか天国で、あのスローバラードを聞かせて下さい。(2009.5.9)
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