小林沙羅(ソプラノ)・藤木大地(カウンターテナー)・新ヴィヴァルディ合奏団スプリング・コンサート~春のコンサートに寄せて~
ソプラノの小林沙羅は東京藝術大学、大学院を卒えた後、2011年にヨーロッパへ留学したのだが、翌12年にはブルガリアのソフィア国立歌劇場でプッチーニ「ジャンニ・スキッキ」ラウレッタ役でデビューしている。アリア<私のお父さん>で知られるあの役である。渡欧して1年目だから、歌い手としての楽才をすぐに認められたわけだが、確かに声が美しく、ルックスも上々、表現力に長けた俊才といえる。帰国後もオペラでリリカルな諸役を歌い演じ、宗教曲のソロを務め、リサイタルも開いているから彼女の豊かな歌唱を聴かれた人も多いのではなかろうか。そう、評判の高かった「のだめカンタービレ」でも歌っ...
公演日: 2014年03月13日(木)イザベル・ファウスト ヴァイオリン・リサイタル (ピアノ:アレクサンドル・メルニコフ)音楽を聴く喜び~ヴィルトゥオーゾ・シリーズに寄せて
2007年からスタートした「音楽堂ヴィルトゥオーゾ・シリーズ」は、第1回のギドン・クレーメルを皮切りに、アルバン・ベルク四重奏団やマリア・ジョアン・ピリス、アンネ=ゾフィー・ムターなど、まさにその名に相応しい世界一流のアーティストを招聘してその華を競った。
そして2014年には、このシリーズにアンドラーシュ・シフ、イザベル・ファウスト、ナタリー・シュトゥッツマンという、現代のヴィルトゥオーゾが登場する。
まずはシフである。しばらく来日から遠ざかっていたが、9年ぶりとなった2008年のリサイタルではバッハ「パルティータ」全...
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