校長所懐 如月
如月とはうまくいったもので、立春を迎えたとはいうものの寒さは依然厳しく、衣服を重ねて着るということから
「衣更着(きさらぎ)」というそうだ。「如」は「ごとし」や「ゆく」とも読み、「万物が春に向かっていく」といった意味合いもある。
そんな如月は、中学生にとっては、締めくくりの月ともいえる。最後の定期テスト「冬試験」では、一年の総まとめとして、どんな資質・能力を身につけたか(伸ばしたか)を確認する。3年生は、進路決定の大事な月。今日は、神奈川県公立高等学校入学者選抜(いわゆる高校入試)合格発表の日。人生で何度かある運命の日の一つであり、多くの人にとって初めて体験する日でもある。結果は、さまざま。十人十色。この結果をどのように受け止めるかで、これからの生活が違ってくる。そのことを3年生には伝えたい。何十、何百人の中学3年生を見てきた者としては、たとえ合格しようがしましが、どちらが幸せかは、その人のその後の考え方、もっと言えば生き方で決まる。それは、私が実際に見て聞いて体験してきたことである。私が教え子たちに教えられたことである。
今日で寒さ厳しい如月は終わる。たくさん着ていた衣と心を少しずつ軽くして、梅の香匂う野に出かけてみよう。野は生命力いっぱいの佳(よ)さであふれている。大倉山公園の梅林も満開。春の始まりの
「衣更着(きさらぎ)」から野の佳い香匂う「野佳(やよい)」へと春は深まっていく。
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