美しい目でものを見る!
年度末のこの時期、私は必ずといっていいほど、次のことを想いだします。ドイツ文学者の高橋健二さんがドイツに20代のとき留学し、「2人のロッテ」という小説を書いた有名な作家「ケストナー」という方に、会ったときの話です。ケストナーさんは高橋さんにこう言ったそうです。「
あなたは美しい目で物を見る
」と。そのとき高橋さんは、こう思ったそうです。「私は鋭く物を見ることができないで、甘い見方をしている。だが、自分はどっちみち、それだけの人間でしかない。ならば、自分なりにあらゆるものから美しさを読み取ろうと腹を決めた。自分の発見であった。」もちろん、すべてのものを美しく見ることはできないでしょうし、自分の中にもたくさん醜いものをかかえて生きているのが人間ですから、こんなこと言われても「はて、できるだろうか」と私は今も感じています。私自身はまだまだ美しい目でものを見ることができません。しかし、美しいものを見たいとか、作りたいという気持ちはあります。24日の修了式での子どもたちに贈る「言葉」は美しいものを作りたい、伝えたいという気持ちから、今、一生懸命に考えています。その想いが届くことを信じて…。
3月19日
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