おかげさま07/17
私には、百歳の天寿を全うした祖母がいました。若くして連れ合い(祖父)を病気でなくし、女手一つで子ども二人(母と叔父)を育て上げた肝っ玉ばあちゃんです。母も叔父も、写真の父親(祖父)しか知らないと言っていました。
教師だった祖母の影響を受けて、私も同じ道を選びました。 ばあちゃん子だった私は、祖母の布団に潜り込んで聞く「昔話」を楽しみにしていました。愉快な話、訓話、不思議な話、怖~い話などいろんな話をしてくれるのですが、どんな話も最後は決まって「神様、仏様、世間様のお陰さまで」で締めくくります。
「おかげさま」 上所(かみどころ)重助 夏が来ると 冬がいいという 冬になると 夏がいいという ふとると やせたいという
やせると ふとりたいという 忙しいと 閑(ひま)になりたいといい 閑になると 忙しいほうがいいという 自分の都合のいい人は
よい人だとほめ 自分に都合が悪くなると 悪い人だと貶(けな)す 借りた傘も 雨が上がれば邪魔になる 世帯を持てば 親さえも邪魔になる
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