12月の下北沢病院コラム 
「怖いインフルエンザ、その治療と予防法」 
内科・リウマチ科 松本拓先生
 インフルエンザは、毎年12月から3月頃ー寒くて空気が乾燥する時期ーに、爆発的な流行が起こります。かかり始めは単なる「風邪」と間違えられることも多いのですが、2つは全く異なるもの。インフルエンザの場合、38℃を超える高熱と全身の関節痛が急に現れる一方で、風邪にありがちな鼻汁、ノドの痛み、咳、痰といった症状はほとんどありません。また、あっという間に大勢の人に感染が広がったり、脳症やインフルエンザ肺炎といった命に関わる重症に発展することがあるのは、風邪には見られない怖い特徴です。
 風邪とインフルエンザには、治療法にも大きな違いがあります。風邪の場合は対症療法(各症状を抑えるためだけの治療)を行なうのみですが、インフルエンザでは、それに加えて有効な抗ウイルス薬が開発されています。具体的には、内服薬「タミフル」や、吸入薬「リレンザ」、「イナビル」などですが、これらの薬には、ウイルスの増殖を抑えることで症状を軽くしたり、回復を早める効果があります。ただし、これらはあくまでも「ウイルスの増殖を抑える」抗ウイルス薬なので、発症(発熱)から48時間以内に使用しなければ十分な効果が得られません。つまり、インフルエンザが流行する時期に38℃以上の高熱が出た場合は、とにかく早く病院へ行くことが重要なのです。インフルエンザかどうかは、「インフルエンザ抗原迅速検査」(鼻腔の液をぬぐって調べる)ですぐに診断することができます。
 予防の面では、外出後のうがい、手洗いはもちろん、室内の加湿や、流行期にはできるだけ人混みを避ける、マスクを着用するといった対策も有効です。また、インフルエンザワクチンの接種も非常に効果的。もちろん、100%の予防効果ではなく、接種さえすればインフルエンザを全く発症しないというわけではありませんが、少なくとも発症時の症状を軽くする効果はあると考えられています。今年もこれから流行期を迎えますが、予防接種の効果が現れるまでには1ヶ月ほどかかるので、本格的な流行期に入る前、12月中の接種をおすすめします。 
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