あらためて子どもの姿に感心しつつ
◆今週、私が校門の前に立っていると、6年生の酒井さんと5年生の久保さんが手を真っ黒にして何かをしています。何をしているのかなと見ていると、先週植えたばかりの花壇の花を植え直しているのです。土に浅く植えられている花があり、それを深く植え直してくれていたのです。マルチがはってあるのですが、その中にまで手を入れ、一つずつ丁寧に植え直しています。私は二人の動きに感心し、「酒井さん、久保さん、ありがとう!」と声をかけました。
◆二人は環境委員ですが、誰かに言われたわけではありません。自分たちで判断して仕事をしているのです。その間、環境委員会の他のメンバーである田邊陽輝さん、吉原さん、桜田さんは一所懸命に水やりをしていました。
◆先々週、6年生の修学旅行があり、私も一緒に行ってきました。その中で感じたことが多くありました。
◆1日目は鎌倉での班行動が中心でした。私は1番たくさん歩くだろうと言われていた1班(田邊陽輝さん、大谷さん、倉上さん、関田さん、坂井さん、江田さん)に付いて、鎌倉の街を歩きました。この班のチームワークが実に見事でした。地図を見て歩いている道が正しいかどうか確認する子、時計を見ながら時間通りに進んでいるか管理している子、写真を撮る子、標識を見ながら方向を確認する子など、6人が一体となって動いているのです。銭洗弁財天の次はいったん鎌倉駅に戻り、長谷駅まで行き、そこから高徳院(鎌倉の大仏)に向かう予定でした。ところが、鎌倉駅に戻る途中に「鎌倉駅まで0.8?、高徳院まで1.2?」の標識がありました。6人はすぐに予定を変更して、歩いて高徳院に向かうことにしました。途中、すごい土砂降りになりましたが、それでも互いを気遣いながら歩いていました。帰りは長谷駅から鎌倉駅まで江ノ電で行きましたが、切符を買う時の協力の様子も微笑ましいものでした。また、道ですれ違う小・中学生や一般の観光客に「こんにちは!」と元気よくあいさつをしていました。他の班も同様の様子があったことを後から聞きました。
◆2日目の最後は雷5656茶屋での雷おこし作りでした。私はここには何度も来たことがあるのですが、いつも教えてくれる人ではなく、そのお弟子さん二人が教えてくださいました。
前に来た時にそのいつも教えてくれる人が私にこっそり教えてくれました。
「毎年多くの小学生や中学生が雷おこし体験に来てくれるのですが、いい学校の子は共通して います。」
「え?どんなことが共通しているのですか?」
「いい学校の子、落ち着いている学校の子は、床に材料がほとんど落ちません。落ち着いてい ない学校の子は床が材料だらけになります。」
落ち着いて丁寧に、粘り強く作業すれば、確かに材料が床に落ちないわけです。雑にしたり、いい加減にやったりすれば、そこらじゅうが散らかります。私は「なるほど!」と思いました。ちなみに、当校では一昨年も今年も、床に材料がほとんど落ちていませんでした。
◆2日間の修学旅行を通して、子どもたちはいつも5分前行動を徹底していました。そのためいつも余裕をもって予定より早く行動できました。新幹線や地下鉄の中、国会議事堂等での動きや見学の態度はどれもしっかりしていました。鎌倉でも都内でも、他の小学生と一緒になることがたくさんありましたが、「自分たちの方がしっかりしているな」ということを子どもたち自身も感じたと思うのです。それくらい態度や行動に違いがありました。
◆家庭でも同じだと思うのですが、いつも一緒にいるとなかなか子どもたちのよさに気付かないようになってしまいます。「これで当たり前」「できて当たり前」「こんなことくらい当たり前」という見方になってしまいがちです。私は今週の出来事や修学旅行で外に出た時の6年生の姿を見て、「当たり前」と思えることの中にある子どもたちのよさを実感しました。
◆子どもたちは日々、みんなが笑顔になる姿、みんなに感動を呼ぶ姿、みんなが感謝したくなるような姿を見せているはずです。それを見付けられるかどうか、見付けて一言「すごいなあ!」という誉め言葉をかけられるかどうか、「ありがとう!」という感謝の言葉をかけられるかどうかということは、私たち大人の大切な大切な役割であることをあらためて子どもたちの姿から教えられました。
2015.7.01
新潟小学校地域だより「かけはし」6月30日号を公開しました。