学校長より(四中だより7月号)
隣は何をする人ぞ
校長 荒木 智雄
皆さんは、教室の中で、自分の右隣の人がどんな人か知っていますか?(廊下!って言った人、ごめんね)左隣の人はどんな人ですか?前の人は?後ろの人は?どこまでその人のことを知っていますか?毎日会っていても、日頃からの仲良しでない人のことは、意外と知らないのではないでしょうか?そんな人間関係の中で、クラスや学年の目標である『協力』というワードが、果たしてどのぐらいのレベルで成立するでしょうか?
もちろん誰しも触れられたくないプライバシーの領域があるので、そこまで立ち入ってはいけませんが、どうも最近、日本の社会全体がプライバシーへの配慮を気にし過ぎて、『困っている人への気づかい』をさぼっている気がしています。これが進むと、「自分と仲良しの友だちさえ良ければ、あとの人はどうでもいい」という自分勝手な社会が生まれます。無関心・不干渉が人権問題への不感症を生んでしまわないかと心配です。逆に人のプライバシーを暴き立てて激しく攻撃する風潮もありますが、これもその人の尊厳に無関心な証拠です。皆さんは、人間関係の健全な『バランス』が取れていますか?
先日、3年生の修学旅行に行って、3組の「語る会」を参観させてもらいました。とても心温まる素敵な時間をもらいました。皆、自分なりにこれまでの自分をふり返ったり、将来の進路のことで悩んでいたりしながらも、今を精一杯生きている姿に、私は感動し、応援したくなりました。3年生ともなると、あいつはあんなやつと、大体のそれぞれの個性は分かっていて、互いに尊重しあいながら集団を成立させている様子も分かりました。語る会で、さらにクラスメイトの深い部分を知ることが出来て、これまでの人生の健闘を互いに称えあいながら、クラスの結束はこれからより強まっていくんだろうなと思いました。
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