発信する・伝えることの進化
1月19日(金)、小雨が降る中登校。いつも、みんなの登校を見守って下さる地域の方から、「子供たちから元気をもらっています」という言葉をいただきました。とてもありがたいことです。
インフルエンザで出席停止だった子も戻ってきて、3年生はほとんどのメンバーが教室にそろって授業を受けられるようになりました。
各学級での学習発表会準備も、順調に進んでいます。
しっかり考えたり伝えたりして、授業で活躍する姿も素敵です。
今日の6年社会は、日清・日露戦争を中心に、日本と外国との関係を考えていきました。
これまでよりも、ペアトークの時間をたくさん入れながら、日本が戦争に向かう背景や勝利した要因、その結果として得たことを考えていきます。
教科書に示されたビゴーの絵が何を意味しているのか、教科書の記述がどういうことを言おうとしているのか、考えたことや調べたことをもとに、発言をつなぎ合わせていきます。
日本と清とが釣りをしてそれぞれに朝鮮という魚を釣ろうとしている様子を、「身分のような上下関係や対等関係」という言葉を使ったり、「立場の弱い朝鮮を奴隷のように支配しようとしている」と表現したり、それを「植民地」っていう言葉で言い換えたり、橋の上で釣りをせずにたばこを吸って眺めているロシア人の様子を「釣りたいけれども、地理的なこともあってすぐに手を出さずに眺めている」と説明したり、自分なりの言葉を使って伝えようとする子供たち。
ペアトークの時はもちろん、一人調べをしているときも、みんな調べをしているときも、子供たちの頭の中はフル回転。知りたい、分かりたいという気持ちがどんどんふくらんで、教室の中が明治時代にタイムスリップしたような現実味のある空間になっていきます。
ただワークシートに書いたことを読むだけじゃなくて、関係性や根拠を示しながら考えをまとめ、自分の発言を説得力のあるものにしていこうとする姿勢こそが、発信する・伝えるということ。それが、ここ数時間の授業を通して、確実に進化しています。日清戦争が起こって勝利した年と、陸奥宗光による条約改正(領事裁判権の撤廃)の成功が同じ1894年だと気づいたときに、思わず「うわ!」「なんで!」「やっぱり!」という声が上がるのも、みんなの進化を体現している証拠です。
さらに、中学校の教科書に登場してくるビゴーの絵も使って、2つの戦争に関する日本と欧米諸国との関係をより詳しく考えます。その中で、ロシア人に刀を向けている日本人のすぐ後ろにいるのがアメリカ人じゃなくてイギリス人なのは、最も日本を認めようとしていなかったイギリスが、領事裁判権の撤廃を認めたり日英同盟を結んだりしたからだと判断していきます。
授業が終わった後、絵の中でロシア人に刀を向けている日本人のすぐ後ろで肩に手をかけているイギリス人の様子を「止めているみたい」と話しながら片付けを手伝ってくれる子供の様子を見て、常にイマジネーションを働かせて主体的に考えようとすることが、子供には大切なことだなと、あらためて思わされました。
次は来週の水曜日。日露戦争を通して日本にどういった状況が生まれたかを話し合った後、追加のXチャートの宿題(火曜朝提出)をもとに、日本が国際的地位を向上させた様々な要因を整理考察して「世界に歩み出した日本」をしめくくりたいと思います。
校長先生との授業も終りが近づいてきてさみしいけれども、授業という機会を通して、大切なことに気づかせてくれる6年生のみなさん、本当にありがとう!
2024年1月19日
発信する・伝えることの進化
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