最新更新日:2012/06/20
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校長室から(12)
台風4号とCO2そして物事を読み取る力
台風4号とCO2そして物事を読み取る力
=「校長室だより」第5号より=
台風4号が日本列島に接近しています。かつては9月頃が台風のシーズンだったと思います。9月頃は海面温度がより上昇しやすく、台風が発生しやすいと学んだ記憶があります。最近よく太陽活動の異常が気象異常を起こしているのではないかと言われています。この6月の台風も太陽活動の影響なのでしょうか?それとも最近あまり話題になりませんが地球温暖化の影響なのでしょうか?地球温暖化と言えば、かつてはCO2(二酸化炭素)の増加が随分と話題になりました。CO2を排出すること自体が悪者扱いにされている風潮さえありました。どうも議論が一方的になる傾向にあるようです。
理科の授業で植物の光合成を学習します。植物の光合成では植物が大気中にあるCO2を吸収して酸素を排出することを習います。これで自然界での酸素やCO2のバランスが保たれます。逆に言うと植物は吸収するCO2が無ければ生存できなくなります。人工的に過度に排出するCO2は人間の手でコントロールしなければなりません。しかし過度なCO2対策は逆に植物の生存を脅かす自然破壊に繋がることも知っておかねばなりません。マスメディアで流れる情報は一方的であることがあります。その情報の真偽がどうなのかを考えて読み取る力が必要です。よく情報は伝えたい現実とその感想や評価が混在した形で流れています。その感想や評価の部分が人々の心を捕えやすい傾向にあります。現実がどうなのかを見る前に感想や評価に捕らわれた先入観で現実を捉えてしまい誤った結果を生むということがよくあります。昨年の東北大震災でもそのようなことがありました。現実と感想を区別し次に現実に起こっていることを読み取ることが社会を知るうえで大事なのです。その現実に起こっていることに対する感想や評価は人によって異なります。その感想や評価を鵜呑みにしないで自分の感想や評価をしっかりもって世評に動かされないことが大事なのです。
それでは、現実に起こっていることを読み取る力はどのようにして養成されるのでしょう。それは習得した知識を使いこなす力、つまり知識の総合力です。中学校卒業は義務教育卒業を意味します。中学校の授業で習得した知識とそれを使いこなす力、活用力を身につけないと世の中で起こる現実を中学校卒業後に社会に出て読み取ることが困難になります。よく、数学などを学んで世の中で役に立つのか?という言葉を耳にしますが、数学で学ぶ論理的思考なしに社会に起こる現実を整理して考えることはできません。環境問題も理科の光合成の知識をもって考えればCO2の問題を通して多少は考えることができるはずです。
いま、知識の習得を前提にその知識を活用する力を社会は高校生や中学生に求めています。先日、大学の入試制度の改革で知識活用を重視する方向性について新聞に掲載されたばかりです。知識を役立てることが求められています。今日からテスト1週間前です。しっかりと計画を立て知識を習得し、その知識を使いこなし役立てるまで学習してほしいと思います。
【校長室から】 2012-06-20 13:49 up!
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