2013-04-11
東アジア独自の漆工芸は、中国・日本などで発達し、相互に受容・影響しあってきました。漆を厚く塗り重ねて・・・東アジア独自の漆工芸は、中国・日本などで発達し、相互に受容・影響しあってきました。漆を厚く塗り重ねて文様を彫り込む彫漆の技法は中国で発達し、鎌倉時代以降、日本にも多数が輸入されました。虹色に輝く貝を装飾に用いる螺鈿は、唐時代以降に諸国で発達し、おもな材料となる琉球産の夜光貝が古くから交易されました。金銀の粉末を蒔いて文様をあらわす蒔絵は奈良時代以降わが国独自に発展し、江戸時代には大名や公家の豪華な調度品がうみだされました。尾張徳川家伝来のさまざまな漆工芸品の美を紹介します。
6月1日(土)〜7月21日(日)
企画展示 備前刀の系譜
現在の岡山県にあたる備前国は刀剣の産地として知られ、山城・相模とならぶ三大産地の一つに数えられました。刀剣に必要な材料を産出し、水上交通を利用した流通が発達したことが、備前国が産地として発展した理由です。刀剣の生産は鎌倉時代に隆盛を迎え、需要の高まった南北朝時代以降、大規模に行われました。本展では備前刀を代表する一文字派や長船派を中心とする刀工たちの作品を紹介し、備前刀の系譜をたどります。