2013-08-01
古来すぐれた歌人は、柿本人麻呂と山部赤人をはじめ「歌仙」とよばれ、藤原公任の『三十六人撰』に由来する・・・古来すぐれた歌人は、柿本人麻呂と山部赤人をはじめ「歌仙」とよばれ、藤原公任の『三十六人撰』に由来する「三十六歌仙」などに代表されます。平安時代末期からの似絵の流行のなかで、歌仙は「歌仙絵」として和歌・略伝とともに絵姿であらわされてきました。中世以来描き継がれてきた歌仙絵は、後世の人々の王朝歌人への憧憬の象徴と言えます。中世の歌仙絵とそれらをもとに製作された近世の歌仙絵の名品の数々を展観し、中世から近世にかけての歌仙絵の展開から、歌仙への憧憬の歴史をひもときます。特に御水尾院を中心とする宮廷や新たに発足した徳川政権における、十七世紀の古典文化復興の気運の中で描かれたやまと絵作品を、歌仙絵を中心に紹介し、中世の歌
仙絵にもとづく近世の歌仙絵の継承と変奏の様相に迫ります。