田淵行男(1905~1989)は、「チャンスは二度は決してこないものである。」と最良のアングルとシャッターチャンスを求め続けました。カメラや感光材の技術の向上により、カラーフィルムを本格的に用いるようになった田淵は、五感で感じた思いを詩文にのせ、山岳写真集『山の時刻』(1967年)、そして続く『山の季節』(1969年)で発表し、感覚的な山の楽しみ方を紹介しました。撮影時より明確なテーマを持ち、編集から装幀まで妥協を許さぬ田淵の思いが反映された名著です。山の素朴な美しさを素直に受け取り表現した田淵は、撮影データ偏重や安直なカラー写真撮影への是非を問い、芸術作品としての山岳写真のあり方につき自論を展開しています。それは写真でどのように山を表現するか40年を超えて模索し続けた、田淵の一つの到達点とも言えます。
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