2014/10/08(水)
三島地区授業研究会
静岡県では平成24年度から、「教科等指導リーダー育成事業」が実施されています。県内各地区で、小・中学校の中堅教員が、教科等の指導的な役割を担う“リーダー”に任命され、若手教員への育成や地区の研修推進のために活躍してもらうのです。(教科以外にも「道徳」や「特別活動」、「総合的な学習の時間」等の担当もあるために、“教科等”という言い表し方になっています。)
今日の2時間目、「特別支援教育」の“指導リーダー”となっている本校の教員が、他校の先生方に授業を公開する場が設けられました。学習内容は、算数の「面積」です。同じ数のブロックを使って作った花壇を3つ並べ、どれがいちばん広いのかを証明させる学習でした。
この教員は、教科の学習に、自分の担っている「特別支援教育」をどのように生かすかを提案する授業を行おうとしていたのです。
現状では、全国のどの小・中学校にも、そしてどのクラスにも、個別の支援を必要としている子がいると言われています。自分でもどうしたらよいか分からずに、人知れず、一人で困っている子たちなのです。
この教員は、そのような子たちを強く意識しながらも、ほかの全ての子たちにとっても教育的効果がある手立てを講じていました。いわゆる“ユニバーサルデザイン”による授業です。
この教室の黒板の上には、敢えて、目立つような掲示物が貼ってありません。子どもたちの視線を、神経を、黒板に真っ直ぐに向けさせようという意図が感じられます。
そして、この授業の課題を提示しながら、今日は何を学習するのかをつかみやすくするために、落ち着いた色をした手作りの教具を黒板に貼り付けていきました。
さらに、個々が考える時のつまずきを無くそうと、実物投影機を使って大きなテレビ画面に自分の手元を映し出し、注意点を丁寧におさえていきました。
また、どの子も、頭の中だけで考えるのではなく、手を動かして操作活動をしながら考える方が思考を活発にさせます。そこで、個々が選んだ方法で、図形に直線を引いて「ます(方眼)」を作ったり、図形をはさみで切り抜いて重ね合わせたり……自由に、熱心に取り組んでいました。
自分の考えをみんなの前で発表させる時にも、先ほどの実物投影機を使わせます。視覚に訴えるため、だれもが前向きに発表者の思いを汲み取ろうという姿勢を見せました。この教員が講じた様々な手立てによって、全ての子どもたちは終始、課題の解決に向けて、一生懸命取り組み続けていました。
他校から参観にいらした先生方も、きっと、いろいろな収穫があったことでしょう。ご参観ありがとうございました。
三島地区授業研究会
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