美術コレクション展示「須田剋太 ーイロとカタチー」須田剋太(1906〜1990)は「街道をゆく」の挿絵で知られる画家ですが、具象画だけでなく抽象画や書にも優れた作品を多く手がけています。ジャンルをまたいで旺盛な創作活動をおこなった剋太は、「絵画は生命の造型化であり、精神を形あるものとして表現するものだ」と述べていました。今回の展示では、彼の手がけた抽象画と、彼が残した言葉とを紹介します。イロとカタチに込めた剋太作品の生命感をご覧ください。
▲展示風景美術コレクション展示「現代日本画の個性と表現」菱田春草が活躍した明治時代に生まれた「日本画」は、日本文化に根ざした独自の絵画として発展してきました。それは、ただ伝統的な岩絵具を使った絵画と言うだけではなく、造形においても、精神においても日本画独自の時代を形づくってきました。
太平洋戦争に敗れた後、日本画は存亡の危機に直面します。戦前の日本的な精神が問い直され、西洋の近代造形が流入する中で、伝統的な日本画はもはや古いものとの評価を受けました。
しかし、戦後の日本画は、日本の伝統的絵画を基盤にしながら、西洋のモダニズムや前衛表現を取り入れて発展し、現代に至るまで個性的な表現を獲得してきました。
今回の展示では、日本画壇の風雲児といわれた中村正義の助言を契機に日本画の新しい表現を目指した棚田泰生、高山辰雄に師事し地元飯田に根ざして日展で独自の作風を開いた仲村進、戦後に新しい日本画を開くために創造美術を立ち上げたひとり吉岡堅二、その気風を受け継いで創画会で個性を放つ大森運夫、滝沢具幸の作品をご覧いただきます。
滝沢具幸《森のフォルム》 1988 本館蔵(綿半野原コレクション)
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