密の効用
「三密」と聞いても、はてどんな密だったか、記憶も定かではないですが、「三密回避」のタガが外れて、堰を切ったように人流が押し寄せ、今の京都では一部のJR線や市バス車内、清水道や嵐山周辺などは平日でもごった返しています。
でも植物園では、この時期静穏で安心な「密」が2つご紹介できるのです。
見て楽しむ「密」と香りの「密」です。
北山門ワイルドガーデンの中心には、サルビア、キバナコスモス、クササンタンカが咲き誇っており、単独では倒伏のおそれがある品種もあることから、その間を赤くなりつつ、メタボぎみのコキア(ホウキギ)が支えています。支えて支えられる、密になってこその計算された美があります。
香りの方は、例年より随分遅く咲いて真っ盛りの数本のキンモクセイと見頃を迎えた秋バラの香りの共演です。単独でもそれぞれの香りは芳醇ですが、ばら園の西端では、まるで熟練の調香師がブレンドしたかのように「風香絶佳」となっています。
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